女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
ドキドキとするこの感情は、まさかと思う、嬉しさからだ。
「まさか、私のこと好きなの?」
突然、チュッとおでこにキスされた。
「めちゃくちゃ好きだよ」
降参したような照れた笑いに、キュンとくる。
「うそ…」
「ほんとだよ。僕が亜里沙に嘘ついたことないの知ってるだろ」
嬉しくて、鼓動がドキドキと早く高鳴っていくのに、ここで『私も』と言えない。
「ありすが、いろいろ溜め込んで心が疲れている姿に、なんとかして癒してあげたかったのは本当。だけど、自慰もしたことないって聞いたらさ…僕的にチャンスだと思ったわけ…目先の欲にとらわれて、医者としてより、男としての気持ちが先走った…僕の指と口で感じて欲しかったの……はぁ、情け無いよ。ストレスで潰れそうな亜里沙に必要なのは、吐き出せて、認めてくれる人や場所だってわかってるのにさ。ほんと、医者として踏みとどまれてよかったと、…思います」
自分の恥部をさらし正直に言ってしまうぐらい、嘘をつけない男なのだ。
なんというか、呆れるやら憎めないやら、可愛いがごちゃごちゃに混ざって苦笑してしまう。
「う、うん。そうだね」
「ありす、好きだよ、大好き、愛してる」
気持ちを隠そうとしない玲央だが、私の心に負担をかけないように軽い口調で笑顔でいる姿を見せられて胸が苦しい。