女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
彼女が思うことに、求める言葉をかけてやった。
「昔、僕が亜里沙に言った言葉覚えてる?」
「…」
「君をいつか連れ出してあげる」
「覚えてる。そのおかげで今の私があるもの。でも、ちょっと疲れてるかも。…息抜きしたいな」
「僕がいつでも連れ出してあげるよ」
亜里沙をぎゅっと強く抱きしめて、感情が昂っていた。
でなければ、予定外の告白など、普段の自分なら勢いのまま伝えたりしない。
後悔はないが、まだ、亜里沙に伝えるのは早かった。
戸惑う表情から、何を言おうとするかわかり亜里沙を止めた。
ごめんという言葉なんて聞きたくない。俺がほしいのは、俺を好きだと言う言葉だけ。
どうしたら、亜里沙の気持ちに刺激を与えられるのか?
「ありすに許婚や婚約者候補が何人もいたように、僕にも、何人かはいる」
彼女には、嘘はつかない。
ただ、知らなくていい事実は、言わないだけだ。そのうちの一人に結城がいたが言わない。
俺の揺さぶりに、ショックを受けている亜里沙。
「僕がこうして触れることを許してくれるだけで、…無理して、答えようとしなくていいよ。ほら、そんな顔しないで…笑って」
「れお…」
「…ねぇ、俺と遠くまで逃げようか?」