初恋ダイアリー

花言葉と嬉しさと

初めてのデートの場所は、遥斗さんに任せて欲しいと言われたので、お任せした。当日までの秘密らしい。
遥斗さんが一生懸命、考えて準備してくれたデートだから、私も楽しみだった。
そして、遥斗さんが連れて行ってくれた場所は、ガーデンパークだった。
ジェットコースターやバイキング、コーヒーカップにお化け屋敷などの、アトラクションが有りつつ、花壇が園内に沢山あって、色んな種類の花が見られる庭のような場所だった。
「どこから、周ります?」
「行きたいところがある」
遥斗さんが連れて来てくれたのは、恋がメインテーマになっている場所だった。
そして、立ち止まったのは、ヒヤシンスに似た花の花壇の前だった。花びらがハートの形をしている。
「この花を鈴華に見せたかった」
「なんていう花なんですか?」
「ライラックっていう花で、こっちの紫色のライラックの花言葉は、恋の芽生え」
「私達にぴったりです」
「俺も見つけた時、そう思った。だから、鈴華と見たいなって、思ってさ。ほら、あっちの白色のライラックの花言葉は、無邪気」
「同じ花でも、花言葉が違うんですね。知りませんでした」
「色々、あるみたいだよ。コスモスは、白が優美。赤が愛情とか」
「遥斗さん、詳しいですね」
「今日の為に、調べてたら、楽しくなっちゃって」
嬉しいな。遥斗さんも楽しみにしていてくれていたんだ。
「綺麗ですね」
「そうだな。...でも」
「でも?」
遥斗さんは私の耳元に顔を寄せてくる言った。
「鈴華の方が可愛いけど」
「えっ?」
私が驚いて赤くなる顔を見て、遥斗さんは、ニコっと笑った。
また、突然の遥斗さんの笑顔にドキっとする。
「あっちにも、行ってみるか」
「はい」
私達は、手を繋いで、歩き出した。
< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop