彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

 陽樹専務は明るい笑顔を振りまいて出て行った。本当に名前の通り太陽のような笑顔を振りまく人なのだ。少し斜に構えた俊樹さんとは兄弟だけど違う。

「企画室の説明は受けましたか?」

「はい、政策秘書とか……」

 梶原さんは苦笑いしている。

「まあ、結構難しい案件も営業の担当者から聞いて秘書を通じて役員にあげることもあります」

「あの。役員秘書と何が違うんですか?」

「そうですね、実務のことしかやりません。スケジューリングや予約、電話、お客様対応などは秘書の役割です。それ以前のことですかね。秘書が自分でたくさんの営業部の人から案件を頼まれて順番付けするのって難しいでしょ」

 それはよくわかる。どの人も急ぎだと言うし、金額によって順番を付けるときもあれば、営業部の部長の力の差とか悲しい理由も実は背景にある。
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