彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「うふふ。嫉妬深い俊樹さんが自分の目の届かないところへあなたをやるわけがないとは思っていましたけど、予想通りの反応でしたね」
 
「そんな、笑っている場合ではありませんよ」

 優雅にケーキを切り分ける細く白い指。綺麗な指輪が薬指に輝いている。

「そうですね。陽樹さんを味方につけるのはいいんですけど、それよりも先にミツハシのほうで菜摘さんを異動させてしまえば文句も言えないんじゃないかしら?」
 
「すごい!さすが京子さん。そうでしたね、彼の影響力が及ばないのは今の会社のほうかもしれません。そうだ、三橋達也取締役を味方につければ出来そうです」
 
「菜摘さんは相変わらず頭の回転が速いですね。私はただ、提案しただけ。お父様や陽樹さんを味方につけてもどうせ、お母様が俊樹さんの味方だからウチの会社では思うようにいかないかもしれないから。それに、彼の味方の子飼いもいますしね」
 
「子飼い?」
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