僕らは今日死んだので、これから先は天国です
僕は鼻の奥がツーンとして、自分の目が潤んでいることに気づいた。

あの日、僕が死んだ日、僕は心の中で家族に謝り、心の中でお礼を言った。

ここが死後の世界ならば、死んだのが僕と一葉だけの天国ならば、きっと家族に会えていることは奇跡だろう。
 
さっき、僕はこう思った。

天国はなんて勇気の出しやすい場所だろうと。

なら、勇気を出せるはずだろう?

家族に会い、言葉を伝えられることに感謝しなければいけないはずだ。

「お母さん、大好きだよ。本当に大好き。病気の僕をいつも諦めないでいてくれてありがとう」

あの日の心の中で伝えた言葉は、本当は絶対に家族に届かないはずだった。

でも、今、目の前で届いているんだ。
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