僕らは今日死んだので、これから先は天国です
僕はしゃがんで、男の子に視線を合わせる。

「大丈夫だよ」

僕が笑いかけると、男の子は安心したように笑った。

親子は最後まで頭を下げながら、次の駅で降りて行った。 
 
すると、一葉が僕をツンツンとつついて、話しかける。

「瑞樹は本当に優しいわね」

「一葉だったら、怒るの?」

「怒らないけど、お気に入りの服だったら悲しいわ」

「じゃあ、一葉も優しいじゃん」

その時、近くにいた女子高生が僕の服を指差して、話しているのが聞こえた。
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