碧い空の下で
出会いとはじまり
「あーあ。つまんない」

一人の少女が、制服で歩きながら溜め息をついた。

周りは同じ制服を着た高校生でいっぱい。彼女は、黒髪のショートカットに、大きな目。見た目はボーイッシュだが、スラリとのびた脚に短いスカートが似合う。


この女の子の名前は、佐々木美花。この物語の主人公だ。高校2年生。

美花は、毎日同じ事の繰り返しで、とてもつまらない日々を送っていた。毎朝起きて、学校行って、勉強して、帰宅して、夕飯食べて、寝る。この繰り返し。楽しい事や、趣味なんかも全くなかった。

 「ただいまー」

学校から帰宅した美花は、そう声をかけると、自分の部屋へ入った。

鞄を机に置き、ベッドに座る。携帯を見る。メールが数件。それを読むと、そのままベッドに倒れこんだ。


「ホントつまんない。なんか楽しい事ないかな。」

と、そこでメール音が鳴った。画面を見ると、学校の友達瑠奈からで、「今から遊ばない?」と書いてあった。

美花は、「いいよー。何して遊ぶ?」と返信した。

しばらくしてまたメール音が鳴った。

「仲間連れてくから、一緒にカラオケ行かない?」

「仲間?うん、いいよー。着替えたら出るから」と送信。


(仲間って誰だ?男の子かな?ま、どっちでもいいや)

と思いながら急いで着替える。ミニスカに、パーカー。足下はブーツ。化粧を少し直すと、私服用の鞄を持ち、ダウンジャケットを着て家を出た。


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