碧い空の下で
外に出ると、もう冬の風だった。

「寒い!」

そう一言言うと、駅に向かって歩きだした。

美花は、出会いなんか求めていない。彼氏もいらないと思っていた。

(瑠奈のやつ、なんで仲間なんか連れてくるんだろ?でも、カラオケなんてかなり久しぶり)

そう思うと少し笑顔になった。


美花は昔は歌うのも大好きだったし、カラオケもしょっちゅう行っていた。でも、中3の時のある事をきっかけに、歌うことも、カラオケに行く事もやめてしまった。

だからカラオケに行くのは本当に久しぶりだった。

定期を通し、電車で二つ先の駅。電車を降りると、駅の中の待ち合わせ先に向かった。

これから先、運命の出会いがあることも知らずに。


 美花が歌う事とカラオケをやめた理由・・・。それは、中3の時のある出来事がきっかけだった。




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