空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

賢太郎さん達が連れていってくれたのは、オフィス近くにあるレストランの個室。
ここなら誰にも聞かれずに話せるから、と予約してあったみたい。


「なっちゃん、はじめましてー。キリたんの夫の相馬龍綺でーす。なっちゃんのことはキリたんからよく聞いてるし写真も見てるから、俺はあんまり〝はじめまして〞感はないんだけどねっ」

「はじめまして。東雲那知です。霧ちゃんには本当にお世話になってます。ふふ、ほんとにお姉ちゃんだと思ってますから。…龍綺さんて、雰囲気は賢太郎さんに似てるのに、キャラは全然違うんですね」

「そうなんだよー、ケンタロくんみたいになりたいんだけど、この中身だからさ、見た目だけでも近付きたくてケンタロくんの真似っこしてるんだ」

「ふふふ、キリッとした外見で中身がソフトっていうギャップは、とってもいいと思います」


「え、那知は龍綺みたいなギャップがある方が好きか…?俺もその方がいいのか?」

「ふふ、龍綺さんには合ってるってこと。私、賢太郎さんは賢太郎さんのままが好きだよ」

って言ったら賢太郎さんが食事の手を止めて立ち上がり、私を後ろから抱き締めた。

「那知……昼メシ食ったらこのまま一緒に帰ろ。俺ん家で愛し合おう?な?いいだろ?」


「ぶはっ!……兄貴ってそんななの?…」
「普段のケンタロくんからは想像できない!甘ーーい!」


「ほら、賢太郎さん。からかってるのはわかってるんだからね」
抱き締めてくれる賢太郎さんの手の甲をぺちぺちと優しくたたく。

「…ふ、やっぱ那知にはバレてたか」

「賢太郎さんが仕事を投げ出すワケないし、それにもう慣れたもん。…て言ってもまだ2日だけどね、ふふっ」


「…あの女嫌いの兄貴が那知に飼い慣らされてる……那知すごい…」

「ねーキリたん、なっちゃんとケンタロくん、馴染んでるよね。とても週末に初めて出逢ったとは思えないんだけど」
「あー、確かにそうよね」

「そういえば私もそう思ったの。賢太郎さんには最初から懐かしさと親近感があってね…」

と言った時に気付いた。

「あ。霧ちゃんだ」

「へ?あたし?」

「賢太郎さん、霧ちゃんと似てるんだ。…だから違和感がないっていうか、逆に安心感があったのかも」

「あー、確かに兄貴には似てると言われるわ」
「だよねっ、キリたんは、ケンタロくんの女バージョンてくらい似てるよね」

「ふふ、それに笑い方も似てるよ」

「そうか…俺はキリと似てるから那知に親近感を持ってもらえてたのか……それはキリに礼を言うべきか…」

「あっははは、そんなの礼も何もないじゃん。兄妹で似てていいこともあったってだけのことよ」

「フ、そうだな」

「兄貴、他には誰に言ったの?結婚すること」

「良美さんしか知らないよ。あぁ、良美さんから姉貴に話が行ってるかも知れないけど」

「親父には言ってないんだ?」

「あぁ」

「そういえば紅羽(くれは)の事はいいの?」

「…関係ねぇよ」

「ま、それもそうね。そうそう!あたし、週末の話は朝に聞いたばっかで、しかも那知の相手が兄貴って知ったのが朝礼の時だからさ、もーびっくりしたのなんのって!」

「霧ちゃん、目がまんまるになってたもんね、あはは」

「キリ、那知は俺のこと何て言ってた?」

「きっ霧ちゃん、言わないでね!」

「あー、すっごいすっごいイケメンだって。イケメン度もアッチの方も林田とは〝何もかもレベチ〞なんだもんね。あー言っちゃった、ニヒヒ」

「ひー!霧ちゃんてば!」
それ、いちばんバレたくないやつ!


「那知、そこまで俺のこと……よし、じゃあ俺がレベルの違いをもっとわからせてやるから、やっぱ帰って愛し合おう!な!」

「もぉ、賢太郎さん!ダメですっ!」

「あっははは!もー…那知は可愛いなぁ。じゃあ夜にな」

「あ、ほんとだ。ケンタロくんの大笑いって久しぶりに見たけど、確かにキリたんの笑い方とおんなじだ!なっちゃん、よく気付いたねー」

「え、あたしあんな笑い方なの?」

「うん、すごく似てるよ。あはは」

なんて、龍綺さんとは今日が初対面とは思えないほど、4人で楽しく和やかなランチタイムを過ごした。
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