空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
んー、今日のお仕事、終わりー!
夜は賢太郎さんとデートだ!うふふっ
「那知、夕飯は兄貴と?」
「うん、その予定」
と、そこへ岸くんがカラカラと椅子に座ったままキャスターを鳴らして来た。
「なぁ、シノの相手って社長だったのな。すげーよな、社長ってかホールディングスの人間だもんな。それで内緒にしてたんだな」
なるほどなー、と頷く岸くんに霧ちゃんがわざとらしく言う。
「アラ、岸サン?あたしの旦那もホールディングスの人間で、今はTOKIWAの副社長ですけど?」
「あぁっ!そっすね!相馬さんもすごいっすね!ってかお兄さんとそっくりっすね!イケメンでどっちがどっちかわからないっす!」
「おい岸、それは褒めてない」
「や、マジで相馬さんは女性だけど見た目も中身もそこらの男よりイケメンっすから」
「だからそれは褒めてないっつーの」
「あははは!コントみたい」
…なんて雑談していると、コンコン、と課のドアがノックされ、3人でそちらに注目すると、ドアを開けて姿を見せたのは尚人だった。
「営業課の林田です。…東雲さん、業務終わりで申し訳ないんだけど、少しいいかな、ナミハタ商事の件で聞きたい事があって…」
ナミハタさんの件?
…何だろう、納品は先月だったよね。何かあったのかな…
「…はい。では資料を用意するので先に行っててもらえますか?…じゃあ第1ルームで」
「了解、じゃ第1でよろしく」
…ガチャリ
「ったくあの男、申し訳ないと思うなら就業時間内に言えっての」
「まぁまぁ霧ちゃん、営業さんは忙しいから。今帰ってきたのかもしれないし」
「…ほんっと那知は優しいよね」
「仕事だからだよ。今断ってナミハタさんに迷惑かかったらそれこそ大変だし。…それじゃ行ってくるね」
「はいよ、いってら。兄貴が来たら言っとくわ」
「はーい、ありがと」