追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
 
 どぎまぎする私を前に、ジョーは軽く松明を振りながら洞窟の外へと歩み出る。
 その瞬間、オオカミたちが襲いかかったが……彼は目にも止まらぬ速さで瞬殺した。手に持った松明と、力強い足蹴りで。

 襲いかかったオオカミたちは宙を飛び、どさっと地面に叩きつけられる。そしてそのままキャンキャン鳴いて逃げていってしまった。

 あんなに恐ろしかったオオカミを、ジョーは一瞬でやっつけてしまった。ジョーは一体何者なのだろう。
 そして振り返った時のその笑顔、犯罪級だ。眩しすぎてくらくらする……



 気付いたら私は倒れ、数日ぶりに眠っていた。体力が限界だったのと、ジョーが起きたことでようやく安堵したのだろう。
 患者が元気になった時に、薬師で良かったと思う。だけど今回ほど命を削って看病したことは、いまだかつてなかった。


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