追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
だけどこんな私の不安も、
「アン!ジョー!!」
領主館の前に舟が着いた瞬間、待ってましたと言わんばかりに飛び出してきたお兄様の笑顔にかき消された。
「待ってたんだよ!ようこそポーレット領へ!!」
お兄様は嬉しそうに私たちに駆け寄り、ジョーと私の手を握る。
夕陽がお兄様の赤い髪を、さらに赤く照らしていた。
「長居出来ないだろうけど、ゆっくりしていってね!
今日は二人の婚約を祝って、パーティーを開くから!!」
こうして、ポーレット侯爵邸に着いた瞬間、私とジョーは引き離された。そして私は小部屋に通され、黄金のドレスに着替えさせられる。髪も綺麗にアップされ、鏡に映った私はまるでお姫様だ。
だが……
「このドレス……派手ではないですか?」
思わず侍女に言ってしまった。
だが、侍女は満面の笑みを浮かべて答える。
「ヘンリー様が特別に準備されたのです。
ジョセフ様の髪の色をイメージしたドレスです」
そうなんだ……確かに、ジョーの流れるブロンドヘアと同じ色だ。そして、こんなジョー色のドレスを着ているのを見られるのが、恥ずかしくも思う。
それでも、お兄様がこんなに祝福してくださるのはすごく嬉しい。
「アン様。とてもお綺麗ですよ!」
なんて侍女に褒めてもらえたが……