追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
私は転がるように階段を駆け下りた。そして扉を開くソフィアさんに変わって、大慌てで告げる。
「ちょ、ちょっと!!何やってるの!?」
「何やってるって、見回りだ」
ジョーはぐいっと扉を開け、断りもなく治療院の中に入ってくる。ソフィアさんは焦っていて、それ以上に私はパニックを起こしている。そして、ソフィアさんがいるというのに、
「ジョー!勤務中だっていうのにこんなところに来ていると、評判が悪くなるよ!?」
なんて、可愛げのない言葉を吐いていた。
こんな時に甘えられる女性だったら、どんなに良かっただろう。
「評判?そんなもの、どうでもいい」
そう言って、ジョーはまた酷く甘い瞳で私を見つめる。そして私の手をそっと取る。
「外はもう暗い。アンが夜道を一人で歩いて帰るだなんて、俺は心配で居ても立っても居られない」
「お、大袈裟だって!私の家は、歩いてすぐそこじゃないの!!」
その声は、叫び声に近かった。私だって困る、ジョーと結ばれるはずがないのだから、これ以上変な噂がたってしまったら。