追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる

 私は真っ赤な顔でジョーを見る。甘くてとろけるような熱っぽい瞳で私を見下ろし、いたずらそうに口元を吊り上げるジョーの圧力に、とうとう負けてしまう。
 私は真っ赤な顔で、少しだけジョーの指に唇を付けた。だが、ジョーは許してくれない。

「ほら、口開けて」

 促されるままに、そっとジョーの指を口に含んだ。そして、そのごつごつした指をそっとして舌で舐める。
 なんだか、酷くいけないことをしている気になり、ジョーを見上げた。すると、ジョーも熱っぽい瞳で私を見下ろし、甘く幸せそうな顔をする。ジョーってこんな顔するんだ。美男が悶える姿に頭がおかしくなってしまいそうだった。

 こうやって、まんまとジョーの罠にかかった私は、ジョーと二人の甘い世界に入ってしまっていた。ソフィアさんが目のやり場に困り、一人下を向いてケーキを食べていたことに気付き、はっとした。

「わっ、私!二階にお茶を忘れてきました!」

 慌てて立ち上がって取りに行こうとするが、

「俺が取りに行くからいい」

 ジョーは立ち上がってすたすた二階に行ってしまった。そんなジョーの背中を見ながら、顔は真っ赤で胸はどきどきおかしい音を立てていた。
 ジョーがますます甘くなって迫ってくるようになったけど……私はいつまで平気なふりが出来るのだろうか。


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