ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 四つに分けた稲荷寿司に丁寧に具を乗せていくと、そこには花畑のように色鮮やかな料理が完成した。ピンク、黄色、緑、茶色の稲荷寿司はみずみずしく煮あげた油揚げと香ばしい胡麻の入ったすし飯、そして個性的な具が合わさって『早く食べて』『美味しいよ』と皆の心に語りかけてくる。

 そして、そんな稲荷寿司のささやき声を全身で受け止めてしまったのが狐の一族である。

「ああっ、エリナちゃん、俺はもう我慢できないよ!」

「エリナたん、わたし、わたし、ああん!」

「これはこれはこれはこれは」

 サファン、レミレア、そしてリックルは、稲荷寿司が食べたいあまりに完全に挙動不審者となっていた。容姿が整った三人ゆえに、怪しくくねくねと動く様子は妖気すら漂うような姿である。

『これじゃあ美男美女が台無しにゃん!』

 エリナは急いで、王族に提供する分を取り分けて料理人に届けてもらう。「わたしの分を、取っておいてくださいね? 絶対にお願いしますね?」と何度も振り返る料理人を送り出すと、「これでよし!」と気合いを入れて子猫が振り向いた。

「大丈夫にゃ、みんなに行き渡る数を作ったにゃん! 四種類の味をお皿に盛り合わせて、食堂に移るにゃんよ! 狐さんたちはもう椅子に座ってじっとしててにゃ!」

「ごめんね、エリナちゃん、そうさせてもらうよ」

「いい子にして待ってるわ!」

「かたじけない!」

 狐たちはハアハアと荒い息をしながら、食堂に駆け込んで椅子に座る。仕事のできる料理人たちはスピーディに稲荷寿司を盛り付け、皿を食堂に運んだ。
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