ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「おおっ、子猫の料理人と共に登場したのは、初めて見る美味しそうな料理です。まるで花畑のように様々な美しい色合いと、たまらない匂いに惹きつけられます、これはぜひともわたしの口にも……んんっ、失礼いたしました」

 司会を務める狐は咳払いをして心を落ち着け、続けた。

「皆様、どうぞお静かにその場でお待ちください。そして、カートに飛びかかりたい気持ちをぐっとおさえてください。わかりますよ、わかりますが、必ず皆様のお手元に料理のお皿が届きますので、それまではどうぞ気合いでお待ちください! ああっ、まだですよ、お皿が来てもまだ食べないでくださいねー」

 料理人が四種類の稲荷寿司を皿に盛り付け、給仕の者がお客に配っていく。
 獲物を前にした猟犬のようになった人々は、貴族としての誇りと本能の間で葛藤しながらも、誰ひとりとして脱落することなく稲荷寿司の皿が行き渡るのを待った。

『狐さんたち、結婚パーティーをおあずけ大会にしてしまってごめんにゃ! でも、本当に美味しいから許して欲しいな』

 給仕のリーダーがエリナに小さく頷いたので、子猫は高らかに言った。

「どうぞ、召し上がれ!」
< 238 / 241 >

この作品をシェア

pagetop