【コミカライズ】あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
 いきなり告げられたシェーマスの言葉が、良く理解出来ない。だって、彼の両親が健在なのだから、王位に就くのはまだ先のはず。

 その……はずなのに?


◇◆◇



「シェーマス……お前。何を」

 ベッドの上に居る父は兵士何人か連れて部屋へと入った僕を見て、間抜けな表情をしていた。

 ……そうなるだろうな。これを企んでいることを疑われずに、ここまで来るのに、本当に長かったよ。兵士も次なる君主たる俺の命に、逆らう訳もない。

 暗愚の王の後に目隠しをしたままで付いて行きたいと望む国民は居ないからだ。

「何をって、少々早まった王位継承です。こんな昼日中から、公務そっちのけで閨に篭もるくらいですから、その方が父上も……ああ。やはり、いらしたんですね。義母上も、嬉しいでしょう。良かったですね。これからは、誰にも二人の邪魔はされませんよ」

 僕の母が亡くなり、政務などそっちのけで毒婦に嵌まった父は、賢王と呼ばれた過去の栄光など何の意味もない無能な男へと成り下がった。

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