【コミカライズ】あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
 十九にもなろうと言う年齢で、良い嫁入り先を紹介をしてくれるとは約束されていても、求婚者を募る貴族令嬢としては、今ではもう年齢を取り過ぎてしまった。

「……そうか。それは、確かにそうだよね……すべて君の望み通りに、そうしよう」

「ありがとうございます。殿下……」

 はにかんでお礼を言った私に、シェーマス様はにっこり微笑んで頷いた。

「うん。良いよ。僕もそろそろもう良いかなと、思っていたからね」

「あの……いつ頃、婚約解消が出来ますか?」

「ああ。そうだね。うん……もうすぐだよ」

 そう言ってシェーマス様は立ち上がり、いつも通りに礼儀正しく、私を馬車まで送り届けてくれた。

 城から走り出した馬車の車窓から見える自分の浮かない顔に、大きなため息が思わず漏れた。

 いつも通りの、気のない態度で、それにがっかりして……けど、わかっていたのに。もしかしたら、あれを言えば、引き留めてくれるかもなんて……すべては、望みのない幻想でしかなかった。

 実は私は賭けのつもりだった。

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