暗闇に差し込む一筋の光

Prolog

ーSide 華恋(かれん)ー

私は、6歳の頃からずっと児童養護施設で育ってきた。



ここの施設にはこんな決まりがあった。



『高校1年生になる年になったらここを出て行かなければならない。』



それだけ、この施設は設備が整っていたし、親の愛情を受けることができない子供達が増えているということも現実。



そんな厳しい現実と、向き合ってきたから痛いくらい分かってはいたけど、自分達が出ていく身になるとやりきれない思いが募る。



私は、入ってくる人も出ていく人もたくさん見てきた。




それもそうだ。





私はもうここに10年もいる。





ずっと、同期のこと一緒だった。




そこで、どうせ出ていかなければならないなら5人みんなで暮らそうと提案したのは温翔(はると)だった。
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