暗闇に差し込む一筋の光
迷い
ーside華恋ー


私は、部屋にギターを置いてから香椎先生の部屋に向かった。



部屋の前へ来ると、少し扉を開けることに抵抗してしまう。



やっぱり、怒ってるのかな…?


ずっと体調の事でお世話になっていたのに何も話せていなかった。


だけど…いつまでもここで固まっているわけにもいかない。


しばらく考えてから、覚悟を決めて扉を開けた。



部屋に入ると、案の定先生は少し心配そうな表情していた。



やっちゃったな。


先生に何も相談とかしていなかった私が完全に悪い。



でも、香椎先生は私のことを怒るどころかいきなり抱きしめられていた。



「ちょっと!」




身体が一瞬強ばったことが分かった。



「華恋、大丈夫。怒ってないから。」


「いきなりどうしたんですか…?」



いつも冷静で、感情的になったことがない香椎先生がこういうことをするのは初めての事だった。

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