どんな君でも愛してる

特別な人

 凛花と付き合いだしてあっという間に二か月。

 相変わらず高校生のような距離感だが、それでも仕事の帰りに食事をし、たくさんの話をするだけで心が満たされる。

 彼女と話すと心が沸き立つ。相手の気持ちがお互いにわかる。特別な存在だ。

 話さなくても行間が読めるのだ。帰りも同じ沿線だし、送って行きやすい。家を世話してくれた相川のお陰だ。

 その相川だが、まるで子供の様に俺に怒っている。

 すねていると言うのが正しいのだろう。まあ、気持ちはわからないでもない。

 あいつが片思いしていた凛花を、自分で言うのもなんだが、あっという間に俺の特別な存在にして取り上げてしまった。

「相川」

「なんですか?」
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