どんな君でも愛してる

交渉

 俺は翌日SUNAへ行った。そして凛花の現在の上司であるSUNAの人事部長を訪ねた。

 誰にも会わずに話がしたかったので、事前に電話で相談した。直接、上階の会議室へ行きたいと頼んだ。彼は了承してくれた。

「お久しぶりです」

「ああ、久しぶりだね。少し痩せたか?眼も赤いし、顔色も悪いが……大丈夫かい」

 ひどい有様なのは自覚していた。凛花の異動や、事故の話を聞いて心配でおかしくなった。ケガをしたうえ、記憶が飛んでいる彼女を見て興奮したせいもあった。

 新しい人事部長は、隣の営業部の部長だった人なので元々お互いによく知っている。

 部長は臨機応変に対応ができる素晴らしい人だ。直接交渉ができそうなので連絡した。彼も俺が連絡した理由をすぐにわかって、時間を空けてくれた。
< 247 / 302 >

この作品をシェア

pagetop