どんな君でも愛してる

「そうだな。いつか一緒に行こう」

 そして、赴任後とうとう彼女に会えた。

 想像以上に小さくて可愛らしい感じの子だった。目が大きくて吸い込まれそうだった。

 意識していたところに、見た目も好みで恥ずかしながらとても嬉しかった。

 電話で話していた時と違い、直に話すと表情がくるくる変わってまた面白い。

 すっかり彼女のとりこになりそうだと思っていたら、うしろから香水の匂いが近づいてきた。

 彼女と話していたのを割り込んできたその香水臭い女子社員……あの仮払出張費振り込みを間違えた人事社員だったのだ。
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