どんな君でも愛してる

「もう……わかりましたから、よく考えてからお返事します」

「そうしてくれ」

 彼はそう言うと私の肩を抱き寄せた。タクシーを呼んで、目の前に来ると、私を乗せてお金を前払いしてくれた。

「心配だから家に着いたらメールは寄越せよ、おやすみ」

 そう言うと、扉を閉めて私が見えなくなるまで見守ってくれた。私の不安や恐れをすべて見通して、心配させまいとしてくれた。

 告白は、正直凄く嬉しかった。でも、いずれだめになるかもしれない。それまでは彼といたい。何勝手なことを言ってるの、凛花。あれを見たら、絶対彼は失望する。それでもいいの?

 私はタクシーで思い詰めて涙を流した。でも彼を諦められないからこその涙だった。自分から初めてお付き合いしたいと思った人だったからだ。

 だからこそ、悩んでいる。そして初めて私は独占欲というものを自覚した。何よりほかの女性に彼を渡したくなかった。わがままなのは十分承知していた。

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