クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
探していた雑誌を手にした途端、雑誌の山が崩れた。

「当日は額全開のアップにすることになったの。お肌の調子を整えなきゃ」

キッチンから千咲の明るい声が届く。

「千咲さんの肌は艶々で綺麗だから大丈夫ですよ。……え?」

散らかった雑誌をひとつひとつ重ねていると、その中からどう見ても雑誌ではない物が出てきた。

しっかりとした厚紙でできた、二つ折りの台紙だ。

「なんだろ」

美緒は台紙を拾い上げた。

「これって」

ちょうど開いていた台紙の中から現れたのは、スーツ姿の男性の写真だった。

「お見合い写真?」

それ以外考えられない。

だとすると、この写真の男性は千咲の見合い相手ということだろうか。

美緒はわけがわからずまじまじと写真を見つめる。

「美緒ちゃんはカボチャのプリンって好き? まだあるからよかったら持って帰ってもいいわよ……あっ、それは、違うの」

キッチンから顔を出した千咲は美緒が広げている台紙に気づき、慌てて美緒からそれを取り上げた。

「これは違うの。母が強引に置いて帰っただけで、私はお見合いなんて全然興味ないから」

千咲は必死で首を横に振っている。

顔は紅潮し、大きな目は潤んでいるように見える。

「母ってすごく心配性なの。早く結婚しろってうるさくて。本当、困るわよね」

千咲の口から乾いた笑い声が漏れる。

< 24 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop