クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
BGM代わりにつけているテレビを見ながら芸人のコントに笑い声をあげ、大根を口に運んでいる。

「どうしたの? あ、そろそろおでんにも飽きてきたよね。お口直しもあるのよ」

千咲は言い終わらないうちに腰を上げ、キッチンへと向かう。

「あ、大丈夫です。お腹いっぱいだしそろそろ帰ろうかと」

「昨夜時間があったから作っておいたの。ちょっと待ってて」

「でも」

気づけば二十一時を過ぎている。

明日は朝から仕事だと言っていた千咲のためにもそろそろ帰った方がいいだろう。

美緒自身も今夜中に仕上げておきたい作業が残っているものの、お口直しは気になる。

もう少しだけと思い直した。

「あ、そうだ。美緒ちゃんに借りてるヘアメイクの雑誌、テレビの近くにあるから持って帰ってね。美容師さんとの打ち合わせでかなり助かった。ありがとう」

「参考になったならよかったです」

美緒はキッチンに向かって答え、テレビ台の前に積まれている雑誌や本の中に以前千咲に貸した雑誌を見つけた。

来年出席する披露宴のヘアメイクを会場ホテルの美容室にお願いしたらしく、打ち合わせのときの参考にと美緒が貸していたのだ。

洋服のデザインを考える時ヘアメイクだけでなくバッグや靴などからアイデアを得ることも多く、専門誌や写真をいくつか用意している。

今回はそれが役に立ったようだ。

「きゃっ」

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