冷酷社長と二度目の恋~極上御曹司は、変わらない愛執で愛する彼女を離さない~
その時―――
「夏輝!」とまた別の男―――夏彦か駆け寄って来た。
「パパ!」
夏彦は嬉しそうに自分に近づいてくる愛する息子を受け止めて、そのまま抱き上げる。
「よう、夏彦」
「よう、久しぶり、…なんで、シズと一緒にいるんだ」
そう挨拶をして、俺はさっきの出来事を説明する。
「…そうか、ありがとう。田口さんもすまなかった」
「とんでもありません。高田社長」
田口さんはそう言って、少し微笑んだ。
そして、夏彦が「深琴!」と呼んだ。
すると、少し離れた所から白い軽めのパーティードレスを着たラウン・ベージュ系でストレートロング系の髪型した女性がこっちに駆け寄って来た。
「深琴、走るなよ」
「…ごめん。夏輝、どうして黙っていなくなったらダメじゃないの」
「ごめんなさい。…喉が渇いて…。パパとママが忙しそうだったから」
「そう、私たちが忙しくしてたから気を使ったのね…」
優しく深琴さんがそう言って、夏輝の頭が撫でた。
夏輝は深琴さんの言葉に答えるように、ゆっくりと頷いた。
「でもね、今日は『お仕事』じゃないから大丈夫よ」
「うん、わかった」
と、夏輝は返事をして笑顔になった。
少し落ちつたところで、夏彦が深琴さんに俺を紹介する。
「深琴、こいつは俺の留学時代からの親友で『プラチナライト』現取締役社長の―――」
「新田静人です」
「お噂はかねがね主人から聞いています。妻兼第一秘書も努めています。―――高田深琴です。旧姓は小日向です」
そう言って、名刺交換をした。
「俺のほうも“小日向深琴”さんの名前は留学時代によく聞いてました」
「えっ…」
「おい、静人。余計な事を言うなよ!」
「いいじゃない。私も留学時代の夏彦の話を聞いてみたい」
「勘弁してくれ…」
「俺の知る限りでよければ…。それとプライベートの時は、良かったら俺のことは名前呼びタメ口でも構いませんよ」
「私もそれで構いません。これから宜しくお願いします。“静人さん”」
「…ママ、お腹すいた」
夏輝が深琴さんのドレスの裾を引っ張ってそう言った。
「あっ、そうね。“この子”も『お腹がすいた』って」
そう言って、深琴さんは自分のお腹にそっと手を当てた。
…ん?
「なぁ、夏彦…」
「ん?ああ。実は…2人目がな」
俺がそれを聞く前に、夏彦が少し微笑んでそう答えた。
「僕、『お兄ちゃん』になる!」
と、嬉しそうに夏輝が声を上げた。
「そうか、おめでとう」
「「「ありがとう」」」
俺がそう言うと、3人は声をほぼ同時に微笑んでそう答えた。