双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~


 ハロウィンが終わると、店の飾り付けは一気にクリスマスディスプレイに変わる。年末から年始にかけて商店はどこも繁忙期だ。

 それはフェリーチェも同じ。

 大きく開け放ってある入り口の、キラキラした赤と緑のモールをくぐり中に入り、奥へ長い二十坪の店内を進む。

 今日、私は店番の予定ではないが、祖父に子どもたちを見てもらって少しだけ仕事に来た。

「いらっしゃいませ」とお客様に笑顔を送り、接客中の祖母と視線で挨拶を交わし、レジカウンターにいるアルバイトの女性に小さく「お疲れさまでーす」と声をかけながら中に進む。

 私が入ったのは、最奥にある仕切られた一角。

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