双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 我が家のすき焼きはトマト入りだ。皮を剥いた大ぶりのトマトに、懐かしさが込み上げる。子どもの頃からこのすき焼きに慣れ親しんだせいで、赤いトマトが入っていないすき焼きはいまだに物足りなさを感じる。

 母は張り切って随分いい肉を買ってきたらしい。久しぶりに我が家の食べたすき焼きは、やけにうまかった。

「沢山食べて。航輝、食事はちゃんとしてるの?」

「ああ、適当に食べているよ」

 国際線は帰ってきてから三日か四日は休みだ。うち最終日はスタンバイにあてられるが、多少の家事をこなす程度の時間はある。体調管理が仕事のようなものなので食事もそのひとつと捉え、野菜を多めに一応気にかけている。料理といっても肉か魚をグリルで焼くくらいしかしないが、まあ問題はない。

「作り置き用意しておくから、帰りに忘れないで持っていきなさいよ」

「サンキュー」

 鍋の中がほぼ終わったところで話を切り出した。

「麗華との関係についてはっきりしたいんだ」

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