双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 マスターにおかわりはと聞かれて、同じものをと頼んだ。

 それを見た仁が「俺も飲んでみるか」と、グラスを空ける。

「パイロットになる道を選ぶのがお前なんだ。そう間違っちゃいないだろ」

 確かにその通りでもある。

 空を飛ぶ夢に向かって突き進んでいたのが俺だ。パイロットでなければ、今の俺は成り立たない。まったく別の神城航輝になっていたはず。

「だけど仁、パイロットを理解して好きだというのと、ただのアクセサリーのように好きなのとは全然違うじゃないか」

「そりゃそうだ。それで? 結婚したい彼女もパイロットのお前が好きなんだろ?」

「いや。彼女はパイロットであろうがなかろうが、俺を好きなんだ」

 弾けたように仁がゲラゲラと笑う。

「変われば変わるもんだ。まさかお前からのろけ話を聞かされるとはな」

 散々笑って大きなため息をついた仁はかぶりを振り、カウンターに向き直る。

 そうこうするうち、燎が現れた。


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