双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~


 空は快晴だった。

 俺は昔から晴れ男と言われるが、雲ひとつない青空に、かつてないほどホッとした。

 なにしろ初めての家族旅行だ。茉莉が提案を受け入れてくれ前から、計画だけはしっかり立てていた。雨の場合も行き先は考えてあるが、どうせなら晴れやかな空の下で、茉莉と子どもたちの明るい笑顔が見たい。

 ほかの日がすべて雨だとしても、今日だけは晴れていてほしいのだ。

 本日晴天という予報に満足しつつ車を運転し、フェリーチェに着いたいのは朝の八時だった。

 途中、電話をかけていたので、ほぼ待たずに茉莉と子どもたちが現れた。

「おにーしゃん、おはよー」

「おはよー」

 大空も翔真も満面の笑みだ。

「ふたりともおはよう。おりこうにしていたかな?」

 ふたり揃って「うん」とうなずく。

 小さいリックを背負い、色違いでお揃いの毛糸の帽子を被るふたりは、期待に瞳を輝かせている。

「さあ、行こう」

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