双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「また来るからな」
「うん」と茉莉は小さくうなづく。
フェリーチェに戻ったのは、次の日の夜だった。
朝から牧場で遊んだり、遊園地へ行ったりと盛りだくさんのイベントに子どもたちは大満足で、帰りの車の中はぐっすりと眠っていた。
茉莉と話をしようかとも思ったが、君も寝たらいいと勧めて静かな音楽を流した。
目はつぶっていた茉莉も、疲れたんだろう、いつしか寝息を立てていた。
茉莉が子どもたちだけを俺に渡そうした理由は、おそらく金沢の義父、鶴見のせいだろう。
できれば茉莉の口から聞きたかったが、無理に言わせるのはかわいそうで、やめた。
俺が解決すればいい。
その後、あらためてプロポーズをしよう。
「今日はありがとう」
外まで見送りに出ようとした茉莉を止め、玄関で別れる。
「とっても楽しかった。お礼を言いたいのは俺のほうだ。あさって、また来ていいか?」
少し考えて、茉莉はうなずく。
「じゃあ、ゆっくり休んで。おやすみ」
「おやすみなさい」
次の日、俺は金沢に向かった。
駅には仁の警備会社の社員と、茉莉の母親がいた。