双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「航輝さん」

 私はなにも考えないで、航輝さんに抱きついた。

「茉莉」

 彼は笑って、私を抱きしめて。

 そしてどちらからともなく、キスをする。

「私ね、本当は、ずっと待ってたの。いつか、航輝さんが迎えにきてくれるんじゃないかって」

 あははと軽く笑った彼は、大きくうなずいた。

「ごめんな、遅くなって」

「ううん。いいの」

 何度も何度もキスをして、泣きながら、声にならずうなずくと、彼は囁いた。

「もう二度と離さない。――愛しているよ、茉莉 」










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