双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 彼が差し出した地中海料理が甘い記憶を呼び覚まし、微かに触れた彼の手から伝わる彼の温もりが、心の古傷を刺激して、今もヒリヒリと痛む。

 子育てに追われる日々に流されるうち、彼への気持ちが霞んだと思っていた。青空に浮かぶひこうき雲を見かけたときにだけ、ふと、遠い昔を懐かしく思う程度になっていたはずだったのに――。

 たった一度会ってしまっただけで、こんなにも心が揺さぶられるなんて。

 どうしてなの。

 絶望にも似た気持ちに打ちひしがれて、両手で顔を覆う。

 よりによって親友の夫の友人だったなんて。

「はぁ……」

 吐いた息と一緒に力が抜けていく。

「ママ」

 ハッとして顎を下げると大空がしょんぼりした顔で私を見ていた。

「いたい、いたい、なの?」

 大空は頭に手をあてている。

 頭痛なのかと心配してくれているのだ。

「ああ、ごめんね。大丈夫だよ」

 笑顔で抱き上げて膝の上で抱き寄せる。

「ママも眠くなっちゃったの。さあ大空、もう少しお昼寝しようか」

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