双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
麗華が都合のいいように書き換えたのか。嘘とわかっていて貫くつもりなのか、どっちかはわからない。

『仮に約束したとして小学生のときの戯言だろ? それで縛り付けるつもりか?』

『こうちゃんたら、言い方があるでしょ? 別に縛るために結婚するんじゃないわ、こうちゃんが好きだからよ』

 彼女は最後まで聞く耳を持たなかったが、結婚の意思はないとはっきり伝えた。

 以来麗華とは顔を合わせていない。向こうからなにも言ってこない=あきらめたとはならないだろう。

 次は彼女の親に話をつけ、それでもだめなら法的手段しかないが――。

 こめかみに指先をあてぐりぐりと回し、ため息をつく。

 今考えたところでどうにもならない。結論が出るまで粛々と進めるだけだ。

 コーヒーを飲み、雑念を振り切ってパソコンの画面と、パイレップ、すなわちパイロットレポートに目を向ける。

 七千フィートあたりに弱い乱気流……。それ以外、気になっていた前線も大きな問題はなさそうだ。

「早いな」

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