双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 にやりと片方の口角を上げ不敵な笑みを浮かべる彼に、笑ってかぶりを振る。

 エアラインの経営にはまったく興味がない。

「かいかぶりですよ。そもそも俺はそんな器じゃありません」

「首席卒業。次世代ナンバーワンがなにを言う」

 苦笑する俺の肩を彼は掴む。

「神城、俺は代表を目指すぞ」

「頑張ってください」

「ああ」

 笑って俺の肩を掴む手は力強かった。

べンタスの創業者としての湖山一族のプライドは高い。次の世代も湖山家からという一族の期待を、彼は背負うつもりなのだ。

 湖山キャプテンはパイロットとして優秀であるし、後輩や同僚に慕われ人望もある。きっと尊敬される経営者になるだろう。

 頼もしく思いつつ湖山キャプテンの背中を見送ると、ふとため息が漏れた。

「おはようございます」

 落ち着いた微笑みを浮かべた彼は、「本日チーフパーサーを勤めます。よろしくお願いします」と流れるようなお辞儀をする。

「よろしくお願いします」

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