再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
「本当はこの船を貸し切りにしたかったんだけど当日だったから断られちゃったんだ」

「そこまでしなくて大丈夫ですから」

貸し切りなんていくらお金がかかるのか想像がつかないけど絶対高いし!


「でも、よく当日に予約が取れましたね」

「最初は断られそうな雰囲気だったんだけど、何故か俺の名前を聞いた途端、態度が変わってね…。俺、そんなに不機嫌な声出した覚えはないんだけど圧が強すぎたのかな?」


「たぶんそうじゃないと思います」

「どういうこと?」


「藤堂さんはそのままでいてください」

「千夏がいうならわかったよ」


藤堂さんは自分の立場をわかってなさすぎる…。化粧品に詳しくない私でも藤堂ブランドはかなり大企業だということは知ってるし。

ここに着くまでに藤堂ブランドについてネットでいろいろ調べたらそう書いてあった。45階建てのタマワン最上階に住むくらいだからそれなりに儲かってるんだろうと思いきや、想像の10倍以上はすごい人だった。


そんな藤堂さんからディナークルーズの電話がくれば、そりゃあ…ね。ニュースや新聞をあまり見ない私は藤堂さんがそういうのにも取り上げられていることを今さっき知った。

これだけの有名人の予約を断れば相手側のほうがあとで痛い目を見るのはあきらかだもんね。

ただのブランド化粧品会社の社長だったら、そこまで有名にはならない。けれどルックスも完璧で藤堂ブランドが世に出てから、別のブランド化粧品会社の売り上げや営業利益をわずか半年で追い抜かして、今ではブランド化粧品会社の中でトップなら話は変わってくる。


私ってそんなスパダリ社長から結婚を申し込まれたの? それでいて私の心の準備が出来ていないから結婚をするのを待たせているなんて、ますます信じられない。本当に凄い人と交際してるんだな私。
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