迷路の先には君がいた

ふたりの決意

 芙蓉は鷹也が地方へ行ったときを狙い、中田オーナーに面会した。

 彼は芙蓉との結婚前提の交際をお披露目したがっていた。気持ちは嬉しい。

 でもその前に、彼から借りていたお金をどうしても片付けたかった。

 鷹也が受け取ってくれないので、彼の父に返そうとしたのだ。

 鷹也の両親とは以前業界のパーティーでも面識があったが、留学中にロンドンで交際相手と紹介されて直接話したこともあった。

 今日はたまたま奥様が外出されていて、彼の父親であるオーナーだけが在宅していた。
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