突然シンデレラ~王子様は実在しました~
 さすがに、大学まで妹と一緒の所に行く必要がないと思ったのか、デザイン系の専門学校への進学を認めてくれた。

 でも……

「将来、専門学校の学費は返してもらうわよ」
「蘭々にも言ったの?」
「蘭々は、あなたと違って大学へ行くのよ。親が出すのは当然じゃない」
「……」

 もう、呆れるを通り越して、これが私と妹の違いなのだと、しっかりと線引きされたのだ。早く自分で稼いで、母につき返してやりたいと思う。

 大学へ行って親のお金で毎日遊び歩いている蘭々と、専門学校で必死に学びバイト三昧の私。いつかきっと、私もシンデレラのように、幸せになれることを信じて、日々努力していた。

 私は、パッケージデザインの仕事に就きたい。

 いつも、妹が食べているお菓子の箱やジュースのパッケージなどを見ているだけだった。それでも、どのデザインも私には魅力的で、味や食感などの想像力を掻き立てられる。

 そんな、人に夢を与える仕事に就きたいと思ったのだ。
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