幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました

可愛い幼なじみーside翔ー

4月になり、大学病院から久々子医療センターへの異動を命じられた俺。まさかここで、幼なじみの真衣と再会するなんて思ってもみなかった。

小学生の頃、家が隣同士だったことで仲が良くなった俺たちだったけれど、俺の進学をきっかけに離ればなれになってしまった。

高校に進学し「真衣に気持ちを伝えるべきだったな」と後悔しても後の祭り。彼女の連絡先も知らない俺は、どうすることも出来なかった。

再会した真衣は、一段と綺麗になっていた。10年以上も経っているはずなのに、彼女への想いは変わっていない。

今度こそ逃がさない。と思ったものの、なかなか上手くいかない。それどころか、俺に対して敬語まで使うようになった真衣との間に距離を感じる。

どうにかして、彼女との距離を詰めたい。ほかの男になんて、触れさせたくないんだーー。



「大沢先生、救急車いいですか?」


外来中、息を切らせながらわざわざ外来にまで伝達しに来たのは、外来看護師長の稗田(ひえだ)師長だ。

なぜ俺に? と一瞬疑問に思ったが、今日俺が救急当番だったことを思い出す。


「79歳男性。道端で転倒しているところを通行人が発見。心肺停止状態で、現在救急隊による胸骨圧迫が……」
「わかった。受け入れる」
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