婚約破棄したら『悪役令嬢』から『事故物件令嬢』になりました

6 貴方、不敬ですよ

「ざまぁは、勿論ルーカスとミシェーラね?」

「他に対象は居ないか、直ぐに手配させて調べるわ」


 おらワクワクすっぞ! の期待で、エリィの瞳がキラキラ輝いています。
 そうなんです、このひとは。
 常日頃から面白いことはないか、って口に出すひと、なんだから。


 エリィのおウチは、大きな声では言えないけれど、王家の影を仕切っている公爵家なので、調査は任せて! なんですよ。
 


 そして、翌日。
 卒業式を明日に迎えた昨日。

 学園での最後の授業(卒業式のリハーサルね) が午前中に終わって、私はエリィの馬車に同乗して、王城へと参ったのです。
 そして、そのまま第3応接室へ。


 第3応接室は主に第3王子殿下のテディが使用する為のお部屋です。
 そこには一足先に帰宅した (王城だけどテディのおウチだから帰宅で合ってるよね?) テディと、既に側近として彼の執務室で働く私の兄アレンの姿がありました。


 テディの執務室を使用しないのは、他の人達も出入りするから。
(様抜き) ライオネルとカイル、そしてルーカス本人もいつ来るか、わからないから。



「ライオネル様はともかく、カイルには絶対に知らせちゃダメ」


エリィさん、ライオネルには様付けて、どうしてカイルは呼び捨てなの笑



「そうだな、カイルはエヴァのことになると、平常心じゃいられないみたいだし」


 テディがそう言うと、兄も頷いています。
 もしかして……そうなの?


 私も薄々は気付いていました。
 カイルが私のこと、どう思っているのか……

 彼が幼い頃から私を見るその視線、それは……


< 11 / 48 >

この作品をシェア

pagetop