夜の帝王の一途な愛
第七章 私を覚えていない彼
「俺はあゆみに心配かけたくないです、それに俺があゆみを認識出来ない状況は、あゆみに取ってショックの何ものでもないと思います」
「でも、記憶が蘇るきっかけは奥様です、はっきり申し上げますが、奥様の協力無しでは回復は難しいかと思います」
「あゆみを二度同じ目に遭わせる事は・・・遭わせる事は・・・出来ません」
「今結果を出すにはまだ早いのではないでしょうか、もう少し様子を見てからでも遅くないと思いますが・・・」
「あゆみには一瞬でも彼女を認識出来なかったことは話していません・・・自分があゆみを認識出来るうちに、覚えているうちに」
「プライベートのことですので、私から申し上げる事はございません」
彼はこの時私との別れを決意した。

第七章 私を覚えていない彼

私と別れて彼はどんな生活を送っていたのだろうか?
彼は・・・毎日手の震えと戦っていた時々頭の中が真っ白になることが頻繁になってきた。
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