【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
「ん、んぅ……んんッ……」

 ランドルフは強引にリーゼの口内に舌を挿し入れ、新雪を踏み荒らすかの如く蹂躙した。

(どうして……?)

 あまりに強引で一方的な口付けにリーゼは困惑した。
 リーゼがランドルフを避けていたことで、不興を招いてしまったのだろう。
 
 彼が誤解をしているようなら、それを解きたい。まずは話がしたい。
 そう思って彼の腕から逃れようと腕を突き立てたのだが、腰に回された腕に動きを封じ込められてしまった。
 
 このままではいけないと思うのに、彼が顎を掴んでいるせいで口を閉じることもできない。
 舌を絡め取られ、粘膜を擦り付けられると、意思に反してリーゼの口から次第に甘い声が漏れ出す。体は正直で、もうすっかり彼に飼い慣らされていたから。

 クチュ、グチュ、と敢えて音を立てるように、ランドルフはリーゼの口蓋を舐め回した。激しい舌遣いで口腔をかき混ぜられ、泡立った唾液がリーゼの唇を伝って顎へと垂れていく。

「キスだけで蕩けた顔をして……いやらしいな、君は。他の男にもそんな顔を見せて縋っているのか?」

 顔を離したランドルフがリーゼを見下ろして軽蔑したように囁く。
< 106 / 170 >

この作品をシェア

pagetop