【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
「なら、俺ではどうだ?」
「はい?」

(何の話?)

 話の流れが読めずにリーゼはあからさまに首を捻った。するとランドルフの表情がムッと険しくなる。

「だから、君の結婚相手が俺では不足かと聞いている」
「は…………?え…………えぇぇ?!け、け、結婚相手?!」
「そうだ。何をそんなに驚いている」
「す、すみません……」

 謝りながらも、リーゼの頭では疑問符が飛び交っていた。

「ど、どうして私なんですか……?」
「スターリングとは付き合いがそれなりに長いからな。部下として為人はある程度把握していて、かつ、信頼のおける人間と認識している。どうせ結婚するなら、少しでも好ましいと感じる相手を選ぶのが最善だろう」
「は、はあ……」

 好ましいという言葉にリーゼの心臓がトクンと小さく高鳴る。
 もちろん部下として……という意味であることは十二分に理解しているけれど、好きな人からそんな風に言われたら思わずときめいてしまう。自然の摂理だ、仕方ない。

「で、どうなんだ?」

 早く答えろと言いたげな、ランドルフの焦れた口調で我に返る。
 
「報酬に関しては君の言い値で支払おう。金ではなく別のものということであれば、遠慮なく言ってくれて構わない」
「いえ、でも、我が家は持参金もまともに用意できないですし……」
「そんなものは必要ない。身一つで嫁いできてくれれば、後のものは全てこちらが用意する」
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