【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
 リーゼが目覚めたと聞きつけ、リーゼの両親とすぐ下の弟が翌日お見舞いに来てくれた。
 手紙では今にも事切れそうだと書かれていた母親はピンピンしていて、リーゼは呆れてジト目になったのは言うまでもない。

「だって、リーゼちゃんにこの前助けてもらったから、どうしてもお礼を言いたいってお願いされたんだもの。そんなの、協力したくなっちゃうでしょう?しかも三日後には国を出るっていうから急がなくちゃと思って」

 さすがの両親も、意図せずとはいえ犯罪の片棒を担いでしまったことに罪悪感は抱いていたらしい。
 金に釣られて、男に言われるがまま(タチの悪い)嘘をついてまでリーゼを呼び出した理由を、申し訳なさそうに語ってくれた。
 物を深く考えない両親らしいと言ったらそれまでだが、殺されかけた身としては到底納得のいく理由ではなかった。
 しかし。
 
「失礼だが、義母上。見知らぬ男の言を簡単に信用するなど、貴族として、いや、人として思慮が欠けていると言わざるを得ない。しかもそれでリーゼを危険に晒したんだ。全くもって言語道断だ。到底看過できない」

 今にも噛みつきそうなほど鋭い眼差しで、ランドルフがリーゼの言いたいことを全て言ってくれた。父と母は互いに身を寄せ合ってフルフルと震えている。
 まさか牢屋にぶち込んだりはしないだろうが、それすらしかねないと言った具合の強面ぶりにリーゼも息を呑む。
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