心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~
 つまり、今日まで彼から好意を向けられているなんて、知る由もなかった。

 だから、ジョサイアは想いを自分の心の中に収めていただけだ。本来ならば、誰にも咎められることのない恋だった。

 私のことを胸に収めたままで婚約者だったオフィーリア様と結婚しようとしたジョサイアは、ある意味では、誠実な人でもあったのだ。

 けど、あまり保守的な貴族とは言えない考えを持つオフィーリア様の目には、それが不誠実に映ってしまっただけで。

「オフィーリアには、悪いことをしました。彼女が怒っていることはわかっていたのですが、何を怒っているのかがわからずに、多忙を言い訳に彼女に言われるがままにしました。そういう意味では、僕が間違えていたんだと思います」

「あの……ジョサイア。私のことを、いつから好きだったんですか?」

 一番に気になっていたことを聞けば、彼は目に見えて狼狽し顔は真っ赤になってしまった。



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