契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 しかし、呼び出しに姉はなかなか応答しない。

 しつこく鳴らしても通話は繋がらず、諦めてスマートフォンをバッグにおさめた。


 ちょっと待ってよ、電話が繋がらないなら中に入って探さないとだめな感じ? 一応チケットは持ってきたけど、できれば入らず帰りたい……。


 その場で粘って数分待ってみたものの、姉から電話がかかってくる気配はなく、仕方なくバッグの中からチケットを取り出す。

 会場近くでひとり佇んでいる私へ、不審そうに見る目がちらほら向けられ始めたからだ。

 これ以上怪しまれないためにも、早く姉に会ってポーチを渡して立ち去りたい。

 意を決して受付に向かい、チケットを差し出す。

 芳名帳に記入を済ませると、ゴールドのクリスマスホーリーのコサージュを手渡された。

 パーティー参加者の証明として着用するらしく、コートの中に着ているブラウスの胸元につける。

 コートや手荷物などをクロークで預かると言われたけれど、すぐに出るから大丈夫と断って羽織っているコートは脱いで手に持った。

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