蝶と柊 ~冷たくて甘い君~
「どうして?」
心からの問い。
「だって、最初こそ怖かったし、私は覚えてないけど、あなたは私と凪沙を助けてくれたんでしょ?それなら怖くない。柊さんはいい人」
「それだけでいい人?笑わせるわ」
ふっ、と呆れた笑いを零す彼。
嘘。本当はそんなこと思ってない。
今も足が少し震えてるし、ちゃんと、ちょっとだけ怖い。
「…俺、あんたが意識ない間もこの家にいたのに、襲われたかもとか考えねえのか」
…確かに、そう考えるのが妥当……なのかもしれない。
でも、私は言葉を紡ぐ。
「仮に最初からその考えだったら、そもそも助けないで私たちに絡んできた人たちと一緒になって襲ってるでしょ。それに、家に連れて来てから気が変わったとしても、一緒にベッドに入ってるか部屋にいると思う」
これは本当に思うこと。
「それも...そうか」