この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜
2話 異世界生物ネコ
「なあん」
ブリティッシュロングヘアっぽいネコが、気怠そうにひと鳴きする。
いい加減鬱陶しくなったのか、お腹に顔を埋めていた男性の両肩を後ろ足で蹴り付け、その腕の中から抜け出した。
黒い軍服に肉球スタンプを押されたのに、男性は気を悪くするどころか、むしろご褒美です、とでも言いたげな締まりのない顔をしている。
くるんと一回転して長テーブルの上に着地したネコが、金色の目を細めてニヤリと笑った。
『しめしめ……そやつめ、まんまと珠子に依存しておるわい。チビ達も順調に人間どもを手懐けておるし──ぐっふふふふ、我らがこの世界を制する日も近いぞ!』
その口から飛び出したのは、酒焼けしたようなダミ声だった。
セリフも何やら不穏だが、私以外の人間には「にゃーん」とか「みゃあ」とかいう、至って普通の猫の鳴き声に聞こえているらしい。
それを証拠に、ミケやおじさん達がしゃべるネコに驚く様子はなかった。
(そもそも、便宜上ネコって呼んでるけど……本当はあれ、ブリティッシュロングヘアどころか、猫でさえないんだよね)
ブリティッシュロングヘアっぽいネコが、気怠そうにひと鳴きする。
いい加減鬱陶しくなったのか、お腹に顔を埋めていた男性の両肩を後ろ足で蹴り付け、その腕の中から抜け出した。
黒い軍服に肉球スタンプを押されたのに、男性は気を悪くするどころか、むしろご褒美です、とでも言いたげな締まりのない顔をしている。
くるんと一回転して長テーブルの上に着地したネコが、金色の目を細めてニヤリと笑った。
『しめしめ……そやつめ、まんまと珠子に依存しておるわい。チビ達も順調に人間どもを手懐けておるし──ぐっふふふふ、我らがこの世界を制する日も近いぞ!』
その口から飛び出したのは、酒焼けしたようなダミ声だった。
セリフも何やら不穏だが、私以外の人間には「にゃーん」とか「みゃあ」とかいう、至って普通の猫の鳴き声に聞こえているらしい。
それを証拠に、ミケやおじさん達がしゃべるネコに驚く様子はなかった。
(そもそも、便宜上ネコって呼んでるけど……本当はあれ、ブリティッシュロングヘアどころか、猫でさえないんだよね)